No.2050 猿投窯 円面硯残欠 天平時代
直径約11 × 高さ約3cm 「暮しの手帖34号」(2025年1月25日発売)掲載品
元々あった透かしの入った高台は欠損していますが、猿投古窯特有の赤茶の土に、シャープな作りの円面硯です。
元々あった透かしの入った高台は欠損していますが、猿投古窯特有の赤茶の土に、シャープな作りの円面硯です。
壺や皿と同じろくろ挽きの技法で成形されており、どの方向からも使える機能性高いグッドデザインです。
円面硯には、直径5センチくらいから20センチ近いものまでありますが、希少で高価な硯を使う役人はまだ少数で、多くは壺の蓋や甕の欠片を硯として使っていました。おそらく、小型品は高級官僚の個人用のもので、大型品は中級・下級の役人たちが机の真ん中に置いて共同で使ったのでしょう。
我国の紙および墨の製法は610年に伝えられたとされます。
大阪府陶邑窯や愛知県猿投古窯郡からは7世紀から陶硯が発見されており、この頃から硯、紙、墨の製作が広まって行ったと考えられます。
初期の陶硯を焼いた窯跡からは仏教関連の容器も見つかっており、硯を使用する場所の一つとして寺院があったとしめすものです。





