2024年7月26日〜7月30日
青花の会展覧会 
埴輪と土師器の美 / 縄文・弥生土器とともに

このたびの展示は、古墳時代の埴輪と土師器を中心とするものですが、縄文時代と弥生時代の土器とも比較して見ていただけるようにしたいと思っています。
長くゆっくりと醸成されてきた縄文の文化が、弥生時代以降急速に流入する大陸文化の力によって、大きく姿を変えていきます。それは、日々の生活に欠かすことのできない土器の造形にも顕著に現れます。
縄文文化の精神性を捨て去ることで、均整と機能美を重視する造形が現れたと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、火焔型土器のような装飾豊かなものだけに縄文時代の本質があるわけではなく、そもそも、縄文を施した土器というのも全体の中では一部であるし、文様を持たない縄文土器も数多く存在します。また逆に、縄文を持つ弥生土器もかなり長い期間にわたって作り続けられています。
私たちが思い描く弥生土器が持つ研ぎ澄まされたフォルムの原点は、実のところ、すでに縄文時代に存在していたと思うのです。大陸文化の受容の中でさらなる洗練が加わり弥生土器が生まれ、大和王権の確立とともに、規格化や均一化も現れてくる土師器。その変遷の姿にも、なお変わることのない日本人固有の美意識というようなものが貫かれていることを感じていただけるでしょうか。
そして、古墳時代の象徴とも言える埴輪。豪族の墓である古墳は、国内外へ力を誇示するモニュメントでもあるわけですから、そこに並べられる埴輪は威信材としての意味も大きかったはずです。ところが、今に残る埴輪を眺め見ると、その多くは強さとかけ離れた優しい姿で、表情には憂いをも感じてしまいます。
なんだか寂しさを隠しきれないことに共感を覚え、そこに美を感じているかのようにも思えるのは、勝手な解釈であるのでしょう。それでも、この地にはそうした美意識を生み出す風土があって、それは古代から現代にまで繋がっているのではないかと考えてみるのは、大切なことではないかと思っています。

会期|2024年7月26日(金)−30日(火)
   *7月26日は青花会員と御同伴者1名のみ
時間|13時−20時
会場|工芸青花
   東京都新宿区横寺町31 一水寮(神楽坂)
出品|画室

2024年3月23日〜4月7日
画室企画展 「こっとう動物園 

いつの時代も、人々は動物たちと共に生きてきました。
古代から近世にいたるまでの、動物モチーフの造形物を展示販売いたします。
前回こっとう動物園以降の約2年間、コツコツと集めておりました120点ほどの小さな動物たちを並べます。

このたびも23日(土曜日)の初日のみ、入場予約制とさせていただきます。
(会場での滞在時間の制限はいたしません。1時間ごとに10人程度ずつご入場いただきます。
①13:00 ~ 
②14:00  
③15:00  
④16:00  

初日入場をご希望のお客様は、お名前・お電話番号・入場人数をダイレクトメッセージ@
shinsuke.tanabe または、メール / info@gashitsu.jp にてお知らせ下さい。
会場では、Pay Payおよび、クレジットカードもご使用いただけます。

※会期中の休業日と営業時間は、「営業日」のページにてご確認お願いします。
 

2023年10月28日〜1112日
画室企画展土師、須恵、猿投と、山茶碗

古代から中世にかけての土師器・須恵器・猿投古陶・山茶碗を中心に、弥生土器・新羅陶質土器・珠洲古陶も少々織り交ぜながら、約130点を展示販売いたします。

このたびも密を避けるため、28日(土曜日)の初日のみ、入場予約制とさせていただきます。
(会場での滞在時間の制限はいたしません。1時間ごとに10人程度ずつご入場いただきます。
①13:00 ~ 
②14:00  
③15:00  
④16:00  

初日入場をご希望のお客様は、お名前・お電話番号・入場人数をダイレクトメッセージ または、メール / info@gashitsu.jp にてお知らせ下さい。
会場では、Pay Payおよび、クレジットカードもご使用いただけます。

※会期中の休業日と営業時間は、「営業日」のページにてご確認お願いします。

2023年4月8日〜423日
画室企画展「祈りのかたちⅣ - 仏教美術展」

日本の仏教美術を中心として、塼仏や塑像、木彫仏・金銅仏・懸仏、籾塔・泥塔などの小塔、古瓦、ガンダーラの石彫など、約150点を展示販売いたします。
このたびも小品や残欠ばかりですが、それでも、古代から中世にかけての仏教が生み出した、深く美しい世界を感じていただけるのではないかと思います。

このたびも密を避けるため、8日(土曜日)の初日のみ、入場予約制とさせていただきます。
(会場での滞在時間の制限はいたしません。1時間ごとに10人ずつご入場いただきます。
①13:00 ~ 
②14:00  
③15:00  
④16:00  

初日入場をご希望のお客様は、お名前・お電話番号・入場人数をダイレクトメッセージ または、メール / info@gashitsu.jp にてお知らせ下さい。
会場では、Pay Payおよび、クレジットカードもご使用いただけます。

※会期中の休業日と営業時間は、「営業日」のページにてご確認お願いします。



2022年12月3日〜1225日
画室企画展「ART OF JOMON /  縄文の造形展 Ⅲ

残欠や小品ばかりではありますが、当時の生活や祭祀を取り巻いた土偶や土器・石器など、約150点の縄文遺物を展示販売させていただきます。
実際に手に触れて、私たちの先祖の魂に心をよせていただく機会になれば嬉しく思います。

このたびも密を避けるため、3日(土曜日)の初日のみ、入場予約制とさせていただきます。
(今回は、会場での滞在時間の制限はいたしません。
1時間ごとに10人ずつご入場いただきます。
①13:00 ~ 
②14:00  
③15:00  
④16:00  
初日入場をご希望のお客様は、お名前・お電話番号・入場人数をダイレクトメッセージ または、メール / info@gashitsu.jp にてお知らせ下さい。
会場では、Pay Payおよび、クレジットカードもご使用いただけます。


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13000年間も継続した縄文時代において、人々は急激な温暖化や冷涼化といった環境の変化にも個性的な適応力を見せながら、日本列島各地域ごとの集団構造や精神文化を発達させてきました。
もちろん、総体的には安定的な狩猟採集社会を維持していたとしても、その時代に生きることがいかに過酷であったかは、容易に想像出来ます。
しかし今、遥かな時を越えて残り伝わってきた土器や石器などの遺物を目の前にすると、現代とは別種の、暮らしの豊かさを感じてしまうのも事実なのです。
実際に手に取ってみれば、必要に迫られて工夫を繰り返した生活道具にも、望みが叶うようにと祈りを込めた祭祀具にも、その機能の追求だけでは説明しきれない労力が注がれていることに気づくはずです。
ただ用途を満たすということを越えて、自分の手で作り出すことの喜び、表現することの満足を感じていただろうことが窺えるのです。そして、その気持ちは、今を生きる私たちに、そのまま受け継がれているのではないかとも感じます。
縄文時代が、エコロジカルな思考の上に成り立つ理想的なユートピアであったというような極端な美化は避けたいと思いますが、暮らしの端々で、その時代なりの、平和や幸せを感じながら暮らしていたことは、本質的には今の私たちと何も変わりないのではないかと思うのです。
 



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