「暮しの手帖」

ときどき思い出しては開いてしまう昭和23年発行の
「暮しの手帖」創刊号。
戦後間もないこの時、まだ紙は配給制で発刊に必要な分量の紙を調達することさえままならない状況でした。
再生を重ねたその紙は当然に粗悪で、時間の経過とともに脆く朽ちてしまいます。
しかし、それでも、それだからこそ大事な、この本の編集後記には、何度読んでも頭が下がります。
ものを作るということは、本来、こういうことだったはずと反省せざるを得ません。
以下、一部を抜粋いたしました。長いですけど、お読みいただけましたら。

〈あとがき〉
ふりかえってみると、こんなに、たのしい思いで本を作ったことは、これまで一どもありませんでした。いく晩も、みんなで夜明かしをしましたし、そうでない日も、新橋の驛に、十時から早くつくことは、一日もないくらい、忙しい日が續きましたけれど、一頁ずつ出来上がってゆく、うれしさに、すこしも、つらいなどとは、思つたこともありませんでした。
この本は、けれども、きつとそんなに賣れないだろうと思います。私たちは貧乏ですから、賣れないと困りますけれど、それどころか、何十萬も、何百萬も賣れたら、どんなにうれしいだろうと思いますけれど、いまの世の中に、何十萬も賣れるためには、私たちの、したくないこと、いやなことをしなければならないのです。この雑誌を、はじめるについては、どうすれば賣れるかということについて、いろいろのひとにいろいろのことを教えていただきました。私たちには出來ないこと、どうしても、したくないことばかりでした。いいじやないの、數はすくないかも知れないけれど、きつと私たちの、この氣もちをわかつてもらえるひとはある。決して、まけおしみでなく、みんな、こころから、そう思つて作りはじめました。でも、ほんとは、賣れなくて、どの號も損ばかりしていては、つぶれてしまうでしょう。おねがいします。どうか一冊でも、よけいに、お友だちにも、すすめて下さいませ。
(中略)
はげしい風のふく日に、その風のふく方へ、一心に息をつめて歩いてゆくような、お互いに、生きてゆくのが命がけの明け暮れがつずいています。せめて、その日日にちいさな、かすかな灯をともすことが出來たら‥‥この本を作つていて、考えるのはそのことでございました。
(後略)


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その「暮しの手帖」今月発売号にて、かつての仕事で企画した雑貨と今の仕事で扱う古物とを並べてみる、というお題を授かりました。
勝手な思い込みを誌面に公開するのは気恥ずかしいばかりでありますが、暮しの手帖社さんの仕事は若い頃からの憧れでもありましたし、自分にとってちょっと特別な存在でしたので、そこに取り上げていただけたことはとても嬉しいことでありました。
久方ぶりで、大沼ショージさんに写真を撮っていただけたことも、さらなる喜びでした。
もしも書店で見かけましたら、お手に取っていただけますと有り難く思います。
 
2025/01/25 




「埋納経」

瓦経をはじめとする埋納の経典になぜか強く心惹かれるところがあり長年ほそぼそと集めておりましたが、ある程度のまとまりが出来上がりましたので、仏教美術展「祈りのかたちⅤ」にて出品させていただくことにしました。
今後同じ量を集めることはもう出来そうにありませんので、自分なりに残しておきたい記録として小冊子にまとめました。
今回の小冊子「埋納経」と、前回、前々回の仏教美術展で製作した「小塔録」「天平のカケラ」を合わせて、画室の仏教美術三部作となりました。
とは言え、自身の手が届く範囲の仏教美術ですから、残欠や小品ばかりを並べてあるだけなのですが、それでも仏教美術の持つ深く美しい世界は十分に感じられるものと思っています。
小冊子は、もしもご希望があれば、通販にてもご注文をお受けいたします。
古美術好きの中でもごく少数派と思われる残欠コレクターの方々には、資料としてもお役に立てるのではないかと、、。
埋納経
A5変形版 仮フランス装 本文52頁 
定価¥1,200+税(+送料¥210)
お求めは、インスタDMまたは、メール / info@gashitsu.jp にてお知らせ下さい。
 
2024/10/09 



青花の会|講座|「土偶と埴輪」

青花の会展覧会「埴輪と土師器の美:縄文・弥生土器とともに」の初日夜に、縄文土器と土偶の魅力をひろくつたえる文筆家、譽田亜紀子さんとの対談をおこないます。

講座|工芸と私77|譽田亜紀子+タナベシンスケ|土偶と埴輪
日時|7月26日(金)18時−20時
会場|悠庵|東京都新宿区横寺町31 一水寮(神楽坂)

譽田さんから|
土器とはなんなのか。
考古学的な視点からみれば、時間を測る物差しであり、人々の交流を知る「資料」と言えるでしょう。ところが客観的に整理するための「資料」という言葉に収まらない土器がいかに多いことか!
狂気に満ちたものもあれば、豪奢な造形をしたものもある。スンと澄ましたものもあれば、ごちゃごちゃと立体が乗った愉快なものもある。
土器はただあるだけで、多くのことを語ってくれるわけですが、考えてみれば、作り出した当時の人たちにとっては鍋であり、器であり、多くは暮らしの道具のひとつにすぎません。
しかしそこには彼ら(縄文人、弥生人、古墳人)の意思が確実に反映され、私たちが彼らに近づく(感じる)大切なスイッチとなっています。
今回、タナベさんとお話するなかで、彼らの暮らしを想像しながら、土器から滲み出る美意識と物語を共に考えていければと思っています。
中でもタナベさんが感じる「日本人固有の美意識」というものを、深掘りしてみたいと思っています。

講師|譽田亜紀子 KONDA Akiko
文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。
奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに各地の博物館や遺跡を訪ね歩き、土偶そして縄文時代の研究を重ねている。現在は各種メディアや講演会を通して土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行う。
著書に『はじめての土偶』(2014年、世界文化社)、『土偶のリアル』(2017年、山川出版社)、『知られざる縄文ライフ』(2017年、誠文堂新光社)、『土偶界へようこそ』(2017年、山川出版社)、『縄文のヒミツ』(2018年、小学館)、『知られざる弥生ライフ』(2019年、誠文堂新光社)、『知られざる古墳ライフ』(2021年、誠文堂新光社)他多数。近著に『こんだあきこの わたしの偏愛遺跡旅』(2024、新泉社)がある。

2024/06/29 


青花の会|骨董祭「経塚遺物を中心に」

今年も東京神楽坂で開催の「青花の会|骨董祭」に参加させていただきます。
B1F「画室」ブースでは、経塚遺物を中心に日本の仏教美術の品々(といっても残欠ばかりですが)を並べます。
他に、木彫仏、塼仏、小塔、古瓦などもお持ちする予定です。
マニアックすぎるかもですが、覗いてみていただけましたら嬉しく思います。

日時
6月7日(金)16-19時 *内覧会(青花会員及び御招待者)・販売有
6月8日(土)11-18時
6月9日(日)11-17時

会場 / √K Contemporary|東京都新宿区南町6
入場料 / 1000円

出展者
井上オリエンタルアート日本橋/大塚美術/花徑/花元/神 ひと ケモノ/画室/工藝丹中/古童/古美術うまのほね/古美術川﨑/古美術京橋/古美術小林/古美術陣屋/古美術錫/古美術天宝堂/古美術肥後/古美術三樹/古美術山法師/古美術28/四方堂/志村道具店/草友舎/素骨庵八木/となりのトトや/中上/秦志伸/前坂晴天堂/利菴アーツコレクション/gallery uchiumi/honogra/IMADO/LAPIN ART/SEKIGAWA FINE ART/Swallowdale Antiquesなりのトトや|中上|秦志伸|前坂晴天堂|利菴アーツコレクション|gallery uchiumi|IMADO|LAPIN ART|SEKIGAWA FINE ART|Swallowdale Antique

2024/05/01 



青花の会|骨董祭「埴輪と神像

今年も東京神楽坂で「青花の会|骨董祭」が開催されます。
B1F「画室」ブースでは、日本の埴輪や神道美術の他、キリスト像やクメール、アフリカなどの神像を展示販売いたします。
主な出品物は、@shinsuke.tanabe に順次投稿いたします。

日時
6月 9日(金)17-20時 *内覧会(青花会員及び御招待者)・販売有
6月10日(土)11-19時
6月11日(日)11-17時
会場
√K Contemporary|東京都新宿区南町6
入場料 1000円
*2日間(6月10-11日)共通/小冊子付/再入場可
*青花会員は無料です
*入場券は10日午前11時より会場受付で販売します

出展者
井上オリエンタルアート日本橋|大塚美術|花元|画室|加島美術|神 ひと ケモノ|工藝丹中|古童|古美術うまのほね|古美術川﨑|古美術京橋|古美術小林|古美術陣屋|古美術天宝堂|古美術肥後|古美術藤島|古美術三樹|古美術山法師|古美術28|四方堂|志村道具店|世田谷八木|草友舎|となりのトトや|中上|秦志伸|前坂晴天堂|利菴アーツコレクション|gallery uchiumi|IMADO|LAPIN ART|SEKIGAWA FINE ART|Swallowdale Antiques

2023/05/15 


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